市販点鼻薬による薬剤性鼻炎とは

投稿日:2023年6月23日

市販の点鼻薬

以前から鼻閉が持続している人の中には、市販の点鼻薬をずっと使用していると言われるかたをしばしば診ます。

点鼻を寝る前につかって寝るが途中でくるしくて起きてしまうなどの症状がひどくなり受診します。
ある時風邪をひいてしまい、鼻づまりがくるしくなって、それ以来市販の点鼻薬を使用しており、手放せないという方がとても多いです。

先日ドラマ教場0風間公親をみていたら、ソニンさんが点鼻をつかうシーンがでてきました。それほど習慣的につかっている方も多いようです。

耳鼻科に受診して点鼻薬をもらうが、効果が薄いのでやめてしまったといわれます。

市販点鼻薬の成分はステロイド、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、抗ヒスタミン剤、血管収縮剤、ハッカ油、消毒薬などさまざまなものが売られています。

薬剤性鼻炎を起こすのは、主に血管収縮薬や消毒薬などの成分が含まれているものが多いです。

とくに血管収縮剤は、一度鼻粘膜への血流がすくなくなってしまい、薬剤の効果が切れた数時間後に血流が増加し、普段よりも強い鼻づまりを引き起こします。

また、ハッカ油や消毒薬は長期に鼻粘膜に吹き付けると、粘膜が腫脹して鼻づまりを引き起こします。ステロイドのみやケミカルメディエーター遊離抑制薬のみの点鼻に切り替えた方がよいでしょう。

少なくとも血管収縮薬(成分としてナファゾリン硝酸塩やトラマゾリン塩酸塩)が含まれているものは、長期に使用しない方がよいでしょう。

執筆者:耳鼻咽喉科専門医 石井玄彦

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