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鼻づまりと下鼻甲介

下鼻甲介

鼻は空気の通り道であると同時に、外から入ってきた空気の湿度を調整するための鼻汁の通り道でもあります。主に鼻が詰まる症状は空気の通り道である、総鼻道が狭くなることで起きます。

総鼻道とは鼻の真ん中の柱(鼻中隔)と両側から出ているでっぱり(下鼻甲介)の間の隙間のことを言います。アレルギー性鼻炎や、慢性鼻炎ではこの下鼻甲介が腫脹するため空気が通りづらく鼻づまりを起こします。炎症が長くつづいてしまうと内服薬や点鼻薬では効果が薄くなり、改善が不十分になることがあります。

長期にわたる鼻閉に対しては、外科的な手術を行う場合があります。

粘膜下下鼻甲介骨切除術・下鼻甲介粘膜切除術とは

下鼻甲介の粘膜を切除、または下鼻甲介の骨を切除し、総鼻道を物理的に広げてしまう方法です。

当院では鼻粘膜表面に麻酔を塗布、粘膜内に局所麻酔を注射して手術を行います。下鼻甲介粘膜に、組織を削る機械を挿入し、粘膜を減量します。下鼻甲介の粘膜の中には下鼻甲介骨という組織を支持する骨があります。長い過程で骨が厚くなってしまい、鼻閉を起こす場合には、下鼻甲介骨を切除し、粘膜下下鼻甲介骨切除術を行います。

レーザー治療やラジオ波の鼻粘膜焼灼は粘膜の表面を焼いて反応を弱める方法ですので、3か月~1年後には粘膜が再生してしまったり、鼻中隔湾曲症があると粘膜を十分に焼くことができなかったりしますが、この方法では、この方法では粘膜が再生しても絶対的な組織量が減るため、再発を起こしにくいと言えます。

また、下鼻甲介の後部に分布している神経とともに、粘膜切除を行うことで、鼻漏などの反応も弱まるケースもあります。(効果は個人差があります)

<粘膜下下鼻甲介骨切除術の流れ>

粘膜下下鼻甲介骨切除術 粘膜下下鼻甲介骨切除術1粘膜下下鼻甲介骨切除術2

<下鼻甲介粘膜切除術の流れ>

下鼻甲介粘膜切除術とは 下鼻甲介粘膜切除術とは1下鼻甲介粘膜切除術とは2

術後の合併症について

術後は出血、感染などを起こす可能性があるため、鼻の中にスポンジのようなものを留置して経過を診ます。術後は抗生剤の内服をします。

昔の手術では、粘膜とともに下鼻甲介の中にある骨を全部切除してしまう方法でした。それにより逆に抵抗感がなくて鼻づまりのような症状を起こすエンプティノーズというような症状や、下鼻甲介内での細菌感染による萎縮性鼻炎を起こす場合もしばしばありました。

現在では清潔な機械で、下鼻甲介の粘膜を減量するのみ、もしくは粘膜を残して骨のみを切除する方法ですので、そういった合併症を起こす可能性は低いと考えられます。

術後の注意点

粘膜下下鼻甲介骨切除術・下鼻甲介粘膜切除術は多くは鼻中隔矯正術とともに行われます。現在はすべて内視鏡を用いて行われるため内視鏡下鼻腔手術1型と呼ばれています。

術前には入院されてから新型コロナウィルス感染症に対する遺伝子検査を実施します。

陰性であれば、点滴をして手術室へご案内します。

手術が終わったら、鼻に詰め物をして病室で安静にしていただきます。

日帰りか1泊2日の入院をお選びいただけます。

日帰りの方も術翌日にはご来院いただきますので、1泊入院をお勧めしております。

手術したその週、もしくは次の週は術後1週間経過するまで、すくなくとも隔日にはご来院いただき、術後の処置をいたします。その後1か月後までは週1回程度、ご通院いただきます。

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