寝ている時の呼吸は鼻から呼吸し、のどを通って肺まで送られるのが普通です。
しかし、その通り道で鼻がせまかったり、鼻とのどの間がせまくなったり、舌の根っこが落ちて気道がせまくなると音がでたり、呼吸がくるしくなることがあります。原因はさまざまで、肥満、扁桃肥大、鼻炎、鼻中隔湾曲症、口蓋垂がおおきい、顎が小さいなどがあります。
太っている人に多いイメージがあるかもしれませんが、太っていなくてもいびき・無呼吸がひどい人もいます。
家族など周りの人から「いびきがひどい」「寝ている時、時々、呼吸が止まっている」「呼吸が苦しそう」などと指摘されて、きがつく場合が多いです。パートナーと寝る場所がわけられない場合、パートナーのストレスが甚大です。
また、呼吸が止まる頻度が高い場合は血圧が上昇したり、日中のパフォーマンスが低下したりするため、運転などを日常的に行う人は治療が必須だと言えるでしょう。
夜間に呼吸が止まる場合、心臓は酸素をとりいれようと頑張ってはたらきます。そのため、心拍数があがるのはもちろんですが、呼吸が再開する直前には血圧がドンとあがり、おおきな血管に負担がかかります。
血管は血圧に抵抗しようと、かたくなり、ひどい場合には血管がさけたり、こぶをつくり、大動脈解離や動脈瘤破裂など致命的な病気を引き起こすこともあります。
家族やパートナーなど周囲から、いびきや無呼吸を指摘された場合、耳鼻科や呼吸器内科を受診してみてください。病院によっては夜間の呼吸を記録する機械を貸し出してくれます。
なかなか受診に行けないという方は、iPhoneやGoogleのアプリでも大まかなことを知れるものがあります。一度アプリで記録し、病院へもっていってもよいでしょう。
薬局でさまざまないびき対策グッズが売られていますので、そうしたグッズを利用してみるのは一つの方法です。
また、寝方を変えるだけでも変わる場合があります。あおむけに寝ると、舌の根がさがり呼吸が止まる傾向にあるので、横向きに寝るのは一番簡単な方法です。
他に、いびきを感知してベッドが勝手に頭をあげてくれる便利なベッドもあります。
ブリーズライト🄬など鼻腔拡張テープを使用される方もいます。
のどがせまかったり扁桃が大きく呼吸が止まりがちな方は鼻からのどまでチューブを入れるナステントというものも売っています。
どうしても口呼吸になってしまっている人は口を閉じるためのテープをつける場合もあります。鼻呼吸を意識するためにはよいでしょう。
鼻腔拡張は、テープだけでなくノーズピン、ノーズクリップもあります。また、仰向けで寝ている時に舌の根っこがのどに落ち込まないようにするマウスピースなど、さまざまな種類の対策グッズがあり、薬局で購入できます。
まずは原因をしらべる必要があります。鼻が悪いのか、鼻と喉の間がわるいのか、舌の根がさがるのか。
簡易的な夜間の呼吸の検査をしてみて、重症の場合は入院して検査をすることもあります。いびきだけの症状で鼻が原因と考えられる場合は手術する場合もありますし、扁桃がおおきい場合は摘出したり、軟口蓋形成というのどの手術を行う場合もあります。(当院ではのどの手術はしていません)
レーザーでのどの手術を日帰りでしている病院もあります。いびきの音は減少しますが、呼吸状態はあまりよくならない場合が多いため、状態を選んで行う必要があります。やみくもにおこなわないほうがよいでしょう。
あとは当院の睡眠時無呼吸症候群のページにも書いてありますが、夜間に呼吸をアシストするCPAPという機械を使用したり、マウスピースを使用する場合もありますが根本解決ではありません。
耳鼻科でも内科でもかまいません。どうすればよいかわからない場合は検査をするかどうかはともかく、お近くの病院へご相談ください。
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