当院では採血でのアレルギー検査が主です。
採血でのアレルギー検査は当院で主に用いているRAST法やMAST48、VIEW39など数種類あります。
それぞれの違いは、RAST法は数多くアレルギー物質がある中の13種類を選択して行うことができます。MAST48・VIEW39は、それぞれ食物アレルギーも含めた48種類・39種類の検査を一気に行います。
RAST法は種類の数に応じて検査料が変わり、種類が多いほど検査料は高くなります。
MAST48・VIEW39は数多くのアレルギーを一気に調べることができますが、可能性の低いアレルギーも検査項目に入っており、その分検査料は高くなります。
例えば、RAST法でスギ花粉やダニ・HDアレルギ―、ブタクサなど季節の花粉症を含めた8種類の抗原を検査すると、3割負担で2,640円、最大13項目を行うと4,290円となります。一方、MAST48・VIEW39は3割負担で5,000円程度です。
※現在当院ではMAST48検査は行っておりません。
特定のアレルギー原に対して産生される、血中のIgEという抗体の量を測定しています。
その量の多さによって0-6段階までクラス分けされており、アレルギー症状の出やすさと相関しています。
いずれの検査でも、同様のクラス分けがされており、IgEの量とクラスが結果として出ます。正確性は以前はRAST法が高い印象でしたが、その後他の検査も改良され、あまり大きな差はなくなってきたように思います。
当院のアレルギー検査では、以下の検査を行います。
以下の8種類の検査を行います。食物アレルギーは希望があれば行います。
<吸い込んで体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの(吸入系アレルゲン)>
室内の塵:ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト
動物:ネコ
樹木:スギ、ヒノキ
草:カモガヤ、ブタクサ
カビ:アスペルギルス(コウジカビ)
以下の項目の検査を行います。
<吸い込んで体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの(吸入系アレルゲン)>
室内の塵:ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト
動物:ネコ、イヌ
昆虫:ガ、ゴキブリ
樹木:スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ
草:カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、オオアワガエリ
カビ:アルテルナリア(スズカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア、ラテックス
※青文字はRAST法とVIEW39で同じ種類の検査項目
<食べて体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの(食餌系アレルゲン)>
卵:卵白、オボムコイド
牛乳:ミルク
小麦:小麦
豆、穀物、ナッツ類:ピーナッツ、大豆、そば、ごま、米
甲殻類:エビ、カニ
果物:キウイ、りんご、バナナ
魚、肉類:マグロ、サケ、サバ、牛肉、豚肉、鶏肉
イムノキャップラピッドという、指先の少量の血液をもちいて、20種類程度のアレルギーの有無を測定したり、皮膚に少し傷をつけて、抗原の検査液をたらし反応を見るプリックテストという検査を行うものもあります。
スギやヒノキ、ダニなどにアレルギーが有るか無いかはわかりますが、クラスはわかりません。
※当院ではおこなっておりません。
また、鼻の粘膜に抗原の染みたディスクを置き、反応を見る誘発テスト(ディスク法)などもあります。
採血では全身のアレルギー反応を、誘発テストなどは局所の反応を見ています。
採血検査でははっきりでないが、実際にはアレルギー症状に悩まされる、Local allergic rhinitisという概念も言われるようになってきました。
当院では採血検査のみ行っておりますが、アレルギー科のある病院などでは詳しい検査もあります。自分が何にアレルギーを持っているかは、症状を抑える目的では非常に有効な戦略と言えるでしょう。