睡眠時無呼吸症候群の検査の流れ
いびき、無呼吸を主訴にご来院された患者様は、原因となる病気がないか、鼻・のどの診察をさせていただきます。鼻はレントゲン検査、のどは鼻からファイバースコープを挿入して画像をとります。気道を閉塞するような病気がある場合は、その病気の治療をおこないます。
また、実際の睡眠時の呼吸状態は、覚醒時と違うため、睡眠時の呼吸を測定する簡易終夜ポリソムノグラフィー検査・簡易PSG検査を実施します。ご自宅に装置をお持ちかえりいただき、検査を行います。
簡易PSG検査で、1時間に何回呼吸がとまっているかを表すAHI(AHI:apnea hypoapnea index)と呼ばれる無呼吸指数が40以上の重症の場合は、そのまま睡眠時の呼吸をアシストするCPAPという装置をつけていただく治療に移行します。AHIが10-40程度で中等度と判断される場合は入院での精密検査を行います。

簡易検査(簡易終夜ポリソムノグラフィー検査・簡易PSG検査)
簡易検査の内容



自宅に検査キットをお持ちかえりいただき、装着してご就寝いただきます。
鼻の呼吸、胸の動き、体位、酸素飽和度、いびきの音などを測定します。
付け方をご指導いたしますので、ご案内にそってお使いください。ご使用後は当院にもってきていただき、測定データを解析して結果のご説明をいたします。
この検査の結果で軽症・中等症・重症を判断し、治療法をご提案いたします。
精密検査(終夜ポリソムノグラフィー検査)
精密検査の内容
簡易検査では測定できない、脳波や心電図、筋電図などを合わせて測定します。
睡眠中の覚醒度や心機能・中枢機能の異常を検知します。
中等度の睡眠時無呼吸症候群についてはこの検査によって診断が確定し、さらなる治療が必要かどうかを判断します。
精密検査の方法

脳波・心電図・筋電図測定のため、頭部に電極、胸腹部に電極をはりつけます。左下の図のように電極だらけになります。電極がずれないように頭にはネットをかぶせます。胸につけてある装置で、データを記録します。このままの状態で寝ていただき、朝には外します。
入院の流れ
外来の流れ
簡易検査でAHI(無呼吸の指数)が10~40程度と診断された場合、入院での精密検査をご提案します。または、他院で簡易検査を受けられた方でも、結果をお持ちいただければ、その結果で精密検査を受けることができます。
下記の流れで外来での検査・説明を行います。
実施可能な日をご提案しますので受付でご相談ください(翌日朝に退院です)。
入院当日
- 入院当日は17:00にご来院ください。遅れた場合は検査を受けられない場合があります。
- 17:30ごろから病衣に着替えた上、装置を装着します。
- アクセサリー類、かつら等は装着しないでください。
- 主に頭、顔(眼周囲、口周囲)、胸、腹部にセンサーを装着します。頭にはずれないようにネットをかぶせます。
- ワックスを使用して電極を固定します。
- 装置の装着後でも飲食はできますが、窮屈です。
- 21時消灯となります。それまではお部屋で安静にお過ごしください。就寝できない場合はお薬をお出しします。
退院日
- 朝6:00に機械装置を外します。朝食をご希望された方は7:30ごろお出しします。
- 装置を外した後は食事・排泄・安静度に制限はありません。
- センサーをつけるためのワックスが付着します。そのまま出勤される場合は一度ご帰宅して落としてください。(当院にはシャワー設備はありません。)
精密検査の費用
検査費用はベッド代を含めて、1泊2日で3万5000円~4万円程度です。
精密検査での入院の場合すべて個室対応で、Wifiのご利用が可能です。当日夕食・退院日朝食はご希望に応じて、お出しすることができます。その場合は食事代が別途かかります。また、検査着はレンタルしていただきます。