「のどに何かひっかかる感じがする」「のどに何かできている感じがする」「のどに何か張り付いている感じがする」「のどがイガイガ、ザラザラする」といった違和感がつづいてしまい、日常生活に支障をきたす場合に言います。
単純な風邪などから発症する場合もありますが、慢性化した副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭炎などののどの慢性炎症やアレルギー、喘息などの全身性のものもあります。
胃や食道から胃酸を含む消化液が逆流してしまう逆流性食道炎は割合が多いといわれており、見過ごされるケースもしばしばあります。
お酒を多く飲まれる方、たばこの本数が多い方では食道がんや喉頭がんなどの悪性腫瘍が隠れている場合もあります。
のどに玉を飲み込んでしまったような感じという表現をされる方は強いストレスによる自律神経障害を疑います。精神的な失調から生じるのどの違和感もあります。
「咽喉頭」という場所は、鼻の通り道の突きあたりから、食道の入り口までを指します。鼻、口からの空気の通り道の他、肺や食道・胃へとつながる道の合流地点でもあります。
口から見える「のど」の状態も重要ですが、鼻や食道の入り口などの状態も重要です。
当院では、副鼻腔炎など鼻の状態が疑われる場合はレントゲン検査やCT検査など画像的な精査を行います。また、のどの奥は肉眼ではほとんど見えないため、内視鏡検査を行います。
耳鼻科の内視鏡検査では鼻からカメラを挿入し、のどの奥まで見ていきます。一般の外来で数分で終わる検査です。
原因にもよりますが、鼻やのどに原因がある場合は慢性的な病気が原因の場合が多く、1か月程度の内服治療を行います。抗生剤や去痰剤、アレルギー薬などを用いて行います。
逆流性食道炎など胃や食道が原因の場合、胃のお薬や漢方薬を用いて治療します。
咽喉頭や食道の腫瘍が疑われる場合は、精査が必要なため検査のできる病院へご紹介いたします。
のどの違和感は投薬治療で改善するものもあれば、違和感が持続してしまうものもあります。その場合は、本当の原因はなにかをきちんと調べる必要があります。のどの不調を感じていても、原因が鼻の奥にある、食道や胃にあるなど別の原因が隠れている場合があります。
加齢だとあきらめずに不調に向き合う必要があり、必要だと判断した場合は副鼻腔のCTを撮影したり、胃の検査のため専門の施設をご紹介いたします。